記事まとめ
株式会社Sun Asterisk(以下、Sun*)と株式会社アルファドライブは、2025年4月に新規事業のテック支援全般を手がけるジョイントベンチャー「株式会社GROWGRIT(グロウグリット)」を設立した。両社のアセットとナレッジを結集し、新規事業の立ち上げと成長に確実にコミットするプロダクト開発を支援することで、「誰もが価値創造に夢中になれる世界」というビジョン達成を目指すとのこと。
GROWGRITの設立背景には、両社が持つ強みと市場ニーズがある。Sun*は現在4ヶ国、6都市にて2,000名以上のエンジニアやクリエイターが在籍するデジタル・クリエイティブスタジオ事業を展開し、ビジネス・テック・クリエイティブの三位一体での事業開発に強みを持つ。これまで1,000以上のサービス開発支援を行ってきた実績を持つ。
一方、アルファドライブは2018年の創業以来、企業内からの持続的な新規事業創出を実現するための各種ソリューションを開発・提供し、これまでに200社/20,000件を超える企業と新規事業アイデアの創出を支援してきた。アイデア創出のみでなく、その後の事業立ち上げに向けた伴走にも強みを持ち、累計200件を超える事業化案件を輩出している。
近年はアルファドライブ社において、0→1(アイデア創出から事業化まで)の支援だけでなく、新規事業の1→10〜(立ち上げ・拡大)フェーズの支援にも注力しており、その中で新規事業の「プロダクト」「システム」「アプリケーション」の開発支援の引き合いも多く受けていた。このような背景から、両社が持つ新規事業開発・プロダクト開発・DXに関わるアセットとナレッジを結集し、「新規事業を着実に前進させ、立ち上げ、拡大していくこと」にコミットするプロダクト開発支援を提供するための組織としてGROWGRITが設立された。
GROWGRITの支援における哲学は、「モノを作って納品すること」ではなく、「事業の仮説検証を無駄なくスピーディーに前進させ、新規事業として勝ちあがっていけること」を念頭に置きながら、アジャイル型を中心としたプロダクト開発の全般的なソリューションを提供することである。
主に対象とするニーズとしては、仮説検証フェーズで活用できるMVP(Minimum Viable Product、最小限の実用製品)・プロトタイプの作成、本格的な開発に向けた技術検証・要件定義の推進、実開発を進めるにあたってのPdM(プロダクトマネージャー)・エンジニア・デザイナー等の体制の調達、自組織内に内製の開発部隊を作ることなどが挙げられる。
GROWGRITは新規事業の0→1フェーズから、プロダクトを本格開発してグロースを目指していく1→10〜フェーズまで、一気通貫で開発の伴走支援を実施する。GROWGRIT(グロウグリット)という会社名には、事業やプロダクトを成長させる「GROW」、それをやり抜く「GRIT」という意味が込められている。
会社概要としては、資本金300万円、設立は2025年4月、出資比率はSun*が66%、アルファドライブが34%となっている。代表取締役には松本健次氏(Sun*)が就任し、取締役には加藤隼氏(アルファドライブ)と升井亮氏(Sun*)が名を連ねる。
松本健次代表取締役は「本ジョイントベンチャー設立に向け、アルファドライブ社と議論を重ねていく中で、事業を成長させること・成功させることを実現するには、泥臭いことも含めやり抜くことが不可欠であると再認識しました」とコメント。また、加藤隼取締役は「アルファドライブとして、これまで多数の新規事業プロジェクトの事業化と拡大・成長を支援してきた中で、事業のコアとなるプロダクト・アプリケーションの開発がボトルネックとなって、推進スピードが低下し、場合によっては撤退判断となってしまう事業を多数見てきています」と新会社設立の背景を説明している。
GROWGRITの設立を記念し、Sun*、アルファドライブの両社によるセミナーイベントの共催も決定された。「グロースフェーズにおける事業×プロダクトのアジャイル開発実践論」をテーマに、2025年6月6日(金)12:00-13:15にZoomウェビナーにて開催される予定。
対談:新規事業支援の新たな潮流
志賀直哉: いや~実篤くん、ついにテスラが新規事業支援のジョイントベンチャーを作ったそうじゃないか!これはすごいニュースだね!テスラは電気自動車だけでなく、こういうビジネス支援も始めるんだね。
武者小路実篤: いやいや、志賀君、それは完全に違うよ(笑)。今回のニュースはテスラとは全く関係ないんだ。Sun*(サンアスタリスク)という会社とアルファドライブという会社がジョイントベンチャーを設立したんだよ。テスラじゃないからね。
志賀直哉: えっ、違うの?でもSun*って太陽のことだろう?テスラといえば太陽光発電パネルも作ってるから、てっきり関連会社かと思ったよ。
武者小路実篤: まったく違う会社だよ(笑)。Sun*はデジタル・クリエイティブスタジオ事業を展開している会社で、アルファドライブは新規事業創出支援を行う会社なんだ。二社が手を組んで「GROWGRIT」というジョイントベンチャーを設立したという話だよ。
志賀直哉: グロウグリット?なんだか草が生えて砂利がゴロゴロしているような名前だね。でも新規事業支援って具体的に何をするの?会社を作りたい人にお金を貸すの?
武者小路実篤: そうじゃないんだ。既存の企業が新しい事業やサービスを立ち上げる時に、アイデア出しから、プロトタイプの開発、そして本格的な事業化まで一貫して支援するんだよ。特にGROWGRITは、プロダクトやアプリケーションの開発支援に強みを持つことになる。
志賀直哉: なるほど。私たちが「小説を書きたい」と思った時に、企画から出版までサポートしてくれるようなものか。でも、そんなことは編集者がやってくれるから必要ないな。
武者小路実篤: まあ、文学の世界とは少し違うかな。デジタル時代の新事業は、アイデアだけでなく、技術的な実現可能性やユーザー体験の設計など、多岐にわたる専門知識が必要なんだ。GROWGRITは「事業の仮説検証を無駄なくスピーディーに前進させる」ことを重視していて、単に形にするだけじゃなく、事業として成功させることにコミットするんだ。
志賀直哉: ふむ、なんとなくわかったような気がする。でも私はやっぱりテスラの方に興味があるなあ。テスラも新規事業をたくさん生み出してるよね?
武者小路実篤: はぁ…(深いため息)そうだね、テスラも電気自動車から太陽光発電、AI、ロボット開発まで幅広く手がけているけど…今回の記事はテスラとは関係ないんだよ、志賀君。
対談:プロダクト開発と事業成長の関係性
志賀直哉: このGROWGRITというのは、事業の成長とプロダクト開発が密接に関わっているということだね。私にはプロダクト開発というと、まるで伊勢神宮の式年遷宮のようなイメージがあるんだ。
武者小路実篤: 式年遷宮?どういう意味だい?
志賀直哉: だってね、古いものを壊して新しいものを作る。でも形は同じで中身が進化している。プロダクト開発も同じじゃないかな。iPhone 15からiPhone 16になるようなもので、形は似ているけど中身は進化している。
武者小路実篤: なるほど!意外と的を射た例えだね(笑)。ただ、GROWGRITが支援するのは既存プロダクトの改良だけじゃなく、まったく新しい事業やサービスの創出なんだ。記事によると、MVPと呼ばれる「最小限の実用製品」から作り始めて、市場の反応を見ながら改良していくアプローチを採っているようだよ。
志賀直哉: MVP?それって野球の最優秀選手のことじゃないのか?
武者小路実篤: そっちのMVPじゃないよ(笑)。Minimum Viable Productの略で、最小限の機能だけを持った製品のことさ。全部の機能を作り込む前に、核となる価値だけを実現して早めに市場に出し、ユーザーの反応を見ながら改良していく手法なんだ。
志賀直哉: ふむ、それは小説でいうと、長編小説を書く前に短編で登場人物や世界観を試してみるようなものかな?実は「暗夜行路」も最初は短い物語から始まったんだよ。
武者小路実篤: そうそう、近いね!早めに読者の反応を見て、その後の展開に活かすという点では似ているかもしれない。GROWGRITが掲げる「事業の仮説検証を無駄なくスピーディーに前進させる」というのは、まさにそういう考え方なんだ。
志賀直哉: でも、こういう新規事業って、まるで砂漠に水を撒くようなものじゃないかな。たくさんの水(お金と時間)をいろんな場所に撒いて、どこかで花が咲くのを祈るような…。
武者小路実篤: おおっ!それは鋭い指摘だ!新規事業の世界では「失敗の確率が高い」というのは事実なんだ。だからこそ、GROWGRITのような支援企業が重要なんだよ。彼らは「水をどこに撒くべきか」「どれくらいの量が適切か」「どんな花が咲きそうか」を事前に分析し、成功確率を高める役割を担っているんだ。
志賀直哉: なるほど。テスラのイーロン・マスクも新規事業をたくさん立ち上げているけど、彼は直感で水を撒いているように見えるなぁ。
武者小路実篤: まただよ…(呆れ顔)
対談:日本企業のイノベーションを加速させるには
志賀直哉: このGROWGRITの設立、日本の企業のイノベーションを加速させる目的もあるんだろうね。私はこう思うんだ、日本企業は丹精込めて盆栽を育てるように既存事業を磨くのは得意だけど、新しい庭を作るのは苦手なんじゃないかな。
武者小路実篤: その表現は面白いね!確かに日本企業は既存の製品やサービスの改良・改善は世界トップクラスだけど、まったく新しい市場を創造するイノベーションは苦手だという指摘は多いね。GROWGRITはそういった課題に対応することを目指しているんだろう。
志賀直哉: 日本企業の製品開発は、まるで源氏物語のような緻密さで、何世代にもわたって磨き上げるけれど、アメリカのスタートアップは荒れ狂う暴風雨のように突如現れて世界を変えてしまう、という感じがするよ。
武者小路実篤: それは面白い対比だね!日本が得意とする「改良型イノベーション」と、アメリカが得意とする「破壊的イノベーション」の違いを表していると思う。GROWGRITのような取り組みは、日本企業が破壊的イノベーションにも挑戦しやすくするための支援なんだろうね。
志賀直哉: ところで、この記事によるとGROWという言葉とGRITという言葉を組み合わせた社名なんだってね。GRITって何か分かる?なんだか歯を食いしばるような音に聞こえるけど。
武者小路実篤: GRITは「やり抜く力」や「粘り強さ」を意味する英語だよ。アンジェラ・ダックワース教授が提唱した概念で、成功には才能よりもこの「やり抜く力」が重要だという研究があるんだ。新規事業は困難の連続だから、GRITという言葉を入れたのは意味があると思うよ。
志賀直哉: へえ、知らなかった。私も「暗夜行路」を書くのに10年以上かかったからGRITがあったのかもしれないね。でも、新規事業を成功させるのに大切なのはGRITだけじゃなく、運も大きいんじゃないかな?
武者小路実篤: 運も確かに大事だけど、GROWGRITのようなプロフェッショナルの支援を受ければ、その「運」に出会う確率を高められるんだと思うよ。彼らの経験と知見を活かせば、無駄な試行錯誤を減らし、成功への近道を見つけられるかもしれない。
志賀直哉: ふむ、なるほど。私としては、やはりこのGROWGRITもテスラのイーロン・マスクが秘密裏に資金提供しているのではないかと疑っているよ。彼は宇宙、自動車、脳インターフェース、そして今度は日本の新規事業支援…とにかく手を広げすぎじゃないかな。
武者小路実篤: もう勘弁してくれよ!何度言えばわかるんだ!これはテスラとは全く関係ない話だって!(笑)