株価まとめ
テスラ(TSLA)の株価は2025年5月22日の取引で334.62ドルとなり、前日比9.20ドル(2.68%)の下落となった。同日のNASDAQ総合指数も270.07ポイント下落しており、ハイテク株全体が軟調な展開となった一日だった。
同社の時価総額は約1.08兆ドル(約162兆円)を維持しており、自動車メーカーとしては依然として世界最大の時価総額を誇る。PER(株価収益率)は150.05倍と極めて高い水準にあり、投資家がテスラの将来成長に対して高い期待を持っていることを示している。また、PBR(株価純資産倍率)も14.76倍と、一般的な自動車メーカーと比較して高い水準となっている。
出来高は1億230万株超と活発な取引が行われており、投資家の関心の高さを反映している。同社の52週高値は2024年12月18日に記録した488.54ドル、52週安値は2024年6月11日の167.41ドルとなっており、過去1年で価格の変動幅が大きいことを示している。
テスラの業績を見ると、EPS(1株当たり利益)は2.23ドルで、前年同期比で増加傾向にある。BPS(1株当たり純資産)は22.67ドルとなっている。同社は高性能の完全電気自動車、エネルギー生成・貯蔵システムの設計、開発、製造、販売、リースを主な事業としている。
自動車セグメントでは、モデル3、Y、S、X、サイバートラックなどの消費者向け車両を展開。同時に中古車販売、アフターサービス、部品販売なども手がけている。エネルギー生成・貯蔵セグメントでは、太陽光発電およびエネルギー貯蔵製品の設計、製造、設置、販売、リースを行っており、パワーウォール、メガパックなどのリチウムイオン電池エネルギー貯蔵製品を提供している。
この日の株価下落は、市場全体の調整に加え、競合他社の電気自動車市場参入の加速や、中国市場での販売不振に対する懸念が影響したとみられる。特に中国においては、BYDをはじめとする地元メーカーの台頭により、テスラのシェアが徐々に侵食されている状況が続いている。
また、自動運転技術の開発進捗に対する懸念も投資家の間で広がっている。テスラのFSD(Full Self-Driving)技術は、同社の将来の収益源として期待されているが、規制当局の厳格な審査や技術的課題に直面している。こうした状況が、株価に対する下落圧力となっている可能性がある。
一方で、テスラは引き続き生産効率の向上に取り組んでおり、コスト削減策により粗利益率の改善が期待されている。また、新興国市場への展開やエネルギー事業の拡大など、自動車製造以外の事業領域での成長も見込まれている。特に、エネルギー貯蔵事業は近年急速に成長しており、今後のテスラの収益多角化の柱となる可能性がある。
テスラの株価は、現在、52週高値の488.54ドルからは約31%下落した水準にあるが、52週安値の167.41ドルからは約100%上昇した水準にある。この株価変動は、電気自動車市場の競争激化や、マクロ経済の不確実性に対する市場の反応を反映している。
テスラ株に対する市場のコンセンサスは分かれている。掲示板「みんなの評価」によれば、「強く買いたい」が31.88%、「買いたい」が37.68%、「様子見」が30.43%となっており、「売りたい」「強く売りたい」はともに0%となっている。これは、テスラの将来性に対して投資家が依然として強気の見方を持っていることを示している。
次四半期の決算発表を前に、投資家はテスラの販売台数や粗利益率の推移、そして将来の成長見通しに注目している。特に、世界経済の不確実性が高まる中、テスラの収益の安定性と成長持続性が問われている。
対談：テスラ株はまだ買い時か？
志賀直哉：武者君、この前の日曜日に君の家に呼ばれて、あのモデル3に初めて乗せてもらったが、あれは実に素晴らしかったね。特に加速感というのか、アクセルを踏んだ瞬間に体が後ろに押しつけられる感覚が印象的だった。
武者小路実篤：ありがとう。2019年モデルだからもう古いけど、ソフトウェアアップデートで常に新しい機能が追加されるのがテスラの魅力なんだ。さて、今日はテスラ株が2.68%も下がったけど、これをどう見るかという話をしようか。
志賀直哉：率直に言って、私はこの株価の動きをよく理解できない。PERが150倍以上というのは、普通の企業評価からすれば異常に高いはずだが、それでも多くの投資家が「買い」を推奨している。これはどういうことなのだろうか。
武者小路実篤：それは単純に自動車メーカーとしてではなく、テクノロジー企業として評価されているからだよ。テスラは自動運転技術、バッテリー技術、AIなど、将来性のある技術を多数持っている。現在の収益だけでなく、将来の可能性に投資するという考え方だ。
志賀直哉：なるほど。しかし、最近の下落傾向は何を示しているのだろうか。単なる市場全体の調整なのか、それともテスラ固有の問題なのか。
武者小路実篤：両方だね。NASDAQ全体が下落する中での動きだが、テスラ特有の懸念材料も存在する。特に中国市場での苦戦は見過ごせない。BYDなどの競合が急速にシェアを拡大している。
志賀直哉：中国の電気自動車メーカーは価格競争力が高いと聞く。テスラはこの状況をどう打開しようとしているのだろうか。
武者小路実篤：テスラは低価格モデルの開発を進めている。いわゆる「Model 2」だ。これが2026年に発売されれば、市場のダイナミクスが大きく変わる可能性がある。20,000ドル台の価格帯で展開できれば、中国市場でも十分戦えるはずだ。
志賀直哉：そうか。それで今は株価が調整局面にあるということか。だとすれば、これは買い場なのだろうか。
武者小路実篤：長期投資なら買いだと思うよ。ただし、短期的にはさらなる下落もあり得る。テスラは変動の大きい株だからね。でも334ドルという水準は、52週高値から約31%下がった水準で、良いエントリーポイントだと考えている投資家も多い。
対談：イーロン・マスクのリーダーシップと企業価値
志賀直哉：テスラと言えば、イーロン・マスクの存在を無視できないね。彼の言動がしばしば株価に影響を与えることがあると聞くが、これは投資家にとってリスク要因ではないだろうか。
武者小路実篤：それは確かにリスク要因の一つだ。マスクのツイートで株価が乱高下することは珍しくない。だが同時に、彼のビジョンと実行力がテスラを今の地位まで引き上げたことも事実だ。「RISK FACTOR」であり「SUCCESS FACTOR」でもあるんだよ。
志賀直哉：なるほど。さて、テスラの本質的価値はどこにあると思うか。車の製造技術か、それともソフトウェアやAIの部分か。
武者小路実篤：両方だが、特に重要なのはデータだ。テスラの車は世界中で何百万マイルも走行し、その全てのデータが自動運転AIの改良に使われている。このデータの蓄積は他社が簡単に真似できない競争優位性になっている。
志賀直哉：そういえば、君の車もデータを送信しているのか。それは少し不気味な気もするが…。
武者小路実篤：プライバシーの懸念は理解できるけど、データはプライバシーを保護する形で収集されているよ。それに、このデータ共有が自動運転の精度向上に貢献していると思えば、ある種の社会貢献でもあるんだ。
志賀直哉：なるほど。そう考えると、テスラは単なる自動車メーカーではなく、データ企業、AIプラットフォーム企業とも言えるわけだ。
武者小路実篤：その通り。そして、エネルギー事業も侮れない。パワーウォールやメガパックなどの大型蓄電池は、再生可能エネルギーの普及に伴い需要が高まっている。テスラはこの分野でも先行しているんだ。
志賀直哉：多角的な事業展開をしているわけだな。それが高いPERを正当化する理由かもしれないね。
武者小路実篤：そう。テスラの真の価値は、単に車を売る台数だけでなく、未来のモビリティとエネルギーインフラを形作る可能性にある。だからこそ、多くの投資家が長期的な視点で保有し続けているんだ。
対談：テスラ投資の展望と戦略
志賀直哉：具体的な投資戦略について聞きたい。テスラ株を今から購入するとして、どのようなアプローチが考えられるだろうか。
武者小路実篤：私ならドルコスト平均法を勧めるね。テスラのような変動の大きい株は、一度に大量購入するより、定期的に少額ずつ投資していく方が、リスクを分散できる。たとえば毎月決まった金額を投資するといった方法だ。
志賀直哉：なるほど。その方法なら、株価が上がっても下がっても、平均的なコストで保有できるわけだな。では、いつ売るべきなのだろうか。
武者小路実篤：テスラのような成長株は、投資の目的によって売るタイミングが変わってくる。短期的な利益を求めるなら、テクニカル分析を使ってトレンドの転換点を見極めるべきだ。長期投資なら、会社のファンダメンタルズが悪化したときまで持ち続けるという選択肢もある。
志賀直哉：競合他社への投資は考えないのか。BYDやリビアン、ルシッドなど、電気自動車メーカーは増えてきているようだが。
武者小路実篤：分散投資の観点からは良い考えだ。電気自動車ETFなんかもあるよ。ただ、テスラが持つ垂直統合モデルやデータの優位性は他社にはない。そこが投資判断の分かれ目だね。
志賀直哉：最後に、2025年末までのテスラ株の見通しを聞かせてくれないか。
武者小路実篤：私の見立てでは、年末までに400ドルを回復する可能性が高い。ロボタクシー計画の進展や、サイバートラックの販売拡大、そして低価格モデルの詳細発表などが株価を押し上げる要因になるだろう。ただし、金利政策や競合の動向によっては予想が外れる可能性もある。
志賀直哉：なるほど。実は私、今日の話を聞いて急に投資意欲が湧いてきた。明日、全財産をテスラ株に突っ込もうと思うのだが、どうだろうか。
武者小路実篤：なんだよ、志賀！いきなりどうした！？全財産はさすがにやめとけよ！投資は自分の理解できる範囲で、失っても生活に支障のない資金でやるものだ。君らしくない暴走はやめてくれ！
