株価まとめ
テスラ(NASDAQ: TSLA)の株価は2025年5月17日現在、349.98ドルで取引を終えた。前日比では7.16ドル(2.09%)の上昇となった。出来高は9,589万株に達し、売買代金は約333億ドルを記録。15分ディレイの株価情報によれば、米国現地時間5月16日20時00分時点のデータとなる。
同社の時価総額は1兆1,272億ドル(約168兆円)と、依然として巨大な評価を維持している。発行済株式数は32億2,095万株で、PER(株価収益率)は156.94倍、PBR(株価純資産倍率)は15.44倍と、いずれも高水準で推移している。
テスラ株は52週高値の488.54ドル(2024年12月18日記録)からは大幅に下落しているものの、52週安値の167.41ドル(2024年6月11日記録)と比較すると約2倍の水準を維持している。この推移からは、2024年後半からの緩やかな回復基調が読み取れる。
投資家心理を示す「みんなの評価」では、「強く買いたい」が59.09%、「買いたい」が27.27%と、合計で86%以上が買い意欲を示している。一方で「様子見」は9.09%、「売りたい」は1.14%、「強く売りたい」は3.41%と売り圧力は限定的だ。
テスラの企業概要によれば、同社は高性能の完全電気自動車、エネルギー生成・貯蔵システムの設計、開発、製造、販売、リースおよび関連サービスを提供している。事業セグメントは主に自動車とエネルギー生成・貯蔵の2つに分かれる。自動車セグメントには、モデル3、Y、S、X、サイバートラックなどの電気自動車ラインナップが含まれる。エネルギー生成・貯蔵セグメントには、太陽光発電およびエネルギー貯蔵製品としてパワーウォール、メガパックなどが含まれる。
市場全体の動向を見ると、NYダウは42,654.74ポイント(+331.99)、ナスダック総合指数は19,211.10ポイント(+98.78)、S&P500は5,958.38ポイント(+41.45)と、主要指数はいずれも上昇して取引を終えた。この市場環境下で、テスラ株も連動する形で上昇した形となる。
テクニカル分析の観点では、テスラ株は300ドルの心理的節目を上回る展開が続いており、350ドルの節目を前に踊り場を形成している。12月に記録した年内高値の488.54ドルからは約28%下落した水準で推移しているが、6カ月チャートで見ると下値は堅調に切り上がっており、中期的な上昇トレンドは維持されている。
テスラの直近の業績を見ると、2024年第1四半期の1株当たり利益(EPS)は2.23ドルとなった。自動車販売台数は第1四半期に予想を下回る結果となったものの、生産効率化による原価低減や新たな収益源の開発によって、利益率は前四半期比で改善している。特に自動運転技術の進化と実用化が、投資家の期待を集めている要因となっている。
テスラのCEOであるイーロン・マスクは最近の発表で、完全自動運転(FSD)の技術開発がさらに加速していることを強調。また、コスト削減策を実施しながらも、新興市場への展開と新モデルの開発を継続する方針を表明している。サイバートラックの生産ラインも軌道に乗りつつあり、2025年後半には月産目標の達成が見込まれている。
エネルギー事業においても、メガパックの受注が堅調に推移しており、太陽光発電とエネルギー貯蔵のソリューション提供により、新たな成長ドライバーとしての期待が高まっている。この分野での売上高は前年同期比で約35%増加し、今後の収益多様化に寄与するとの見方が強まっている。
市場アナリストの見方は依然として二極化している。強気派は自動運転技術の商業化とエネルギー事業の拡大を根拠に、目標株価を500-600ドルレンジに設定。一方、慎重派は競争激化による市場シェアの圧迫と利益率の低下を懸念し、300ドル前後の評価にとどめている。
対談: テスラ株の現状分析
志賀直哉: 今日はテスラの株価について話し合おうじゃないか。今、349.98ドルということだが、君はこの水準をどう見ている?
武者小路実篤: この水準は過去半年間の調整過程としては興味深い位置にあるね。年内高値488ドルから見れば大きく下げたが、年間の安値167ドルからは倍以上の水準だ。一種の踊り場だと見ている。
志賀直哉: なるほど。ただ気になるのはPER156倍だ。これは極めて高い水準だと思うが、この評価は果たして妥当なのか?
武者小路実篤: テスラの場合、従来の自動車メーカーとしての評価軸では測れないんだ。投資家は将来のテクノロジー企業としての成長性に賭けている。私のモデル3を見てもわかるが、これはもはや車というより走るコンピュータだよ。
志賀直哉: しかし最近の販売台数は予想を下回っているという事実もある。競合も増えてきた中で、この株価水準を維持できるのか疑問だ。
武者小路実篤: 確かに第1四半期の販売は予想を下回ったが、注目すべきは利益率だ。テスラは原価低減に成功している。具体的には、ギガプレスによる製造工程の革新で車体部品を約370から約130に削減した。これが他社との決定的な差だよ。
志賀直哉: ふむ、製造効率の革新か。だが株式市場全体が上昇する中での連動相場という見方もできるのではないか?
武者小路実篤: S&P500が5,958まで上昇する中で、テスラのベータ値は1.8程度と高いから、確かに市場連動性はある。しかし直近の上昇はFSD(完全自動運転)のバージョン12.5のリリースという具体的な材料も後押ししている。
志賀直哉: なるほど。では今の株価は、テスラ固有の要因と市場全体の上昇が複合的に影響していると考えるべきだな。
武者小路実篤: そのとおり。テスラは単なる市場の一部ではなく、自らの技術革新で株価を牽引する力を持っている。この2%の上昇も、単なる偶然ではないんだよ。
対談: テスラの成長戦略を読み解く
志賀直哉: では次に、テスラの成長戦略について考えてみよう。現在のラインナップはモデル3、Y、S、X、サイバートラックか。これで十分なのだろうか?
武者小路実篤: 十分どころか、これからが本番だよ。次の焦点は2.5万ドル台の大衆車モデルだ。コードネーム「Redwood」と呼ばれるこの低価格モデルは、本当の意味での大衆化を実現する。
志賀直哉: 大衆車といっても、既存のガソリン車と比べればまだ高価だろう。本当に売れるのか?
武者小路実篤: 総所有コスト(TCO)で考える必要がある。燃料代、メンテナンス費用を加味すれば、5年間の所有で従来車より約23%安くなる計算だ。さらにFSDのサブスクリプション収益も見込める。
志賀直哉: しかし中国のBYDやXpengなどの競合も侮れない。価格競争が激化する中、テスラの優位性は維持できるのか?
武者小路実篤: 中国勢の台頭は確かに脅威だが、テスラの強みはエコシステム全体にある。例えば、充電ネットワークは米国内で4,950カ所、世界で12,000カ所を超える。これは競合が一朝一夕に追いつける規模ではない。
志賀直哉: なるほど、充電インフラか。だが自動車以外のビジネス、例えばエネルギー事業はどうなのだ? 本当に収益の柱になるのか?
武者小路実篤: エネルギー事業の成長率は35%と自動車部門を上回っている。特にメガパックの需要は旺盛で、公共事業向けの大型蓄電施設の受注が相次いでいる。直近ではカリフォルニア州の3GWh規模のプロジェクトを受注した。
志賀直哉: では今後の技術展開として、自動運転以外に注目すべき分野はあるのか?
武者小路実篤: ロボティクスだ。「Optimus」と呼ばれる人型ロボットのプロトタイプは既に工場内で稼働テストが始まっている。製造業の自動化を超えた汎用ロボットとしての可能性を秘めている。
志賀直哉: ロボット事業か…これは壮大な計画だが、実現可能性はどうなのだろう。
武者小路実篤: 自動車からロケット、脳インプラントまで手がけるマスクだ。不可能を可能にする実績がある。重要なのは、これらすべての事業がテスラの株価にすでに織り込まれているという点だよ。
対談: 投資家はどう動くべきか
志賀直哉: では、いよいよ本題だ。投資家はテスラ株をどうすべきか。買い・売り・ホールド、君の意見を聞かせてくれ。
武者小路実篤: 私の見立ては「買い」だ。現在の350ドルは、年末に向けた上昇の足場を固める水準だと考えている。特に今後6ヶ月間でFSDの収益化が進む可能性が高い。
志賀直哉: しかし、156倍のPERは高すぎないか? 何かショックがあれば、真っ先に売られる可能性もある。
武者小路実篤: 確かに従来の評価基準では高いが、テスラは今後5年間で年率30%以上の成長が見込まれる。2030年には年間1,000万台の販売が視野に入る。現在のPERは将来の成長を織り込んでいるんだ。
志賀直哉: では、具体的にどのようなタイミングで買うべきだと考える?
武者小路実篤: 私なら300ドル台のいまがチャンスだと見ている。テクニカル分析でも、350ドル付近のレジスタンスを抜ければ、400ドル台への上昇が視野に入る。ポジションを持っていない人は、段階的な買い増しで対応するといいだろう。
志賀直哉: 一方で、リスク要因は何があるだろうか? 投資家は何に注意すべきだ?
武者小路実篤: 最大のリスクは3つある。第一に、FSDの規制リスク。第二に、中国市場での競争激化。第三に、イーロン・マスク自身のリスクだ。彼のXでの発言一つで株価が大きく変動することがある。
志賀直哉: なるほど。では長期投資としてはどうだろう? 5年、10年先を見据えた場合は?
武者小路実篤: 長期投資としての魅力は非常に高い。テスラは単なる自動車メーカーではなく、エネルギー革命の中核企業になりつつある。10年後には今の株価が懐かしく思えるだろう。
志賀直哉: 最後に一言、投資家へのアドバイスをお願いしたい。
武者小路実篤: テスラへの投資は、単なる株式投資を超えて、未来社会への参加権を得ることだと思っている。ただし、ポートフォリオ全体の5-10%程度に抑え、長期保有する覚悟があれば良い投資になるだろう。
志賀直哉: ふむ、なるほど。では僕はこの会話をもとに、明日ゲームストップの株を全力買いしようと思う。
武者小路実篤: おいおい、話全然聞いてなかったのかよ!テスラの話してたんだぞ!まったく、相変わらずふざけた野郎だな!