記事まとめ
テスラは、Chipotleの社長であるJack Hartungを新たに取締役会のメンバーとして迎えることを発表した。Hartungは2025年6月1日から正式に就任する予定だ。テスラは公式SNSアカウントを通じて新取締役の追加を発表し、Hartungの加入により、テスラ取締役会は9人体制となる。
テスラが新たな取締役を迎えるのはしばらくぶりのことであり、Hartung以前では、Airbnbの共同創業者であるJoe Gebbiaが2022年に加わったのが最後である。Reutersの報道によると、Hartungはテスラ取締役会の監査委員会のメンバーとして従事する予定だ。また、彼は来月、Chipotleの社長兼最高戦略責任者の職を退き、同レストランチェーンでシニアアドバイザーとしての役割に移行するという。
HartungはChipotleで長いキャリアを持っており、2002年に同社に加わった。彼はChipotleで複数のポジションを経験し、最近では社長兼最高戦略責任者を務めていた。テスラは公式Xアカウントの投稿でHartungの功績を強調した。
「Jack Hartungの財務リーダーシップのもと、過去20年以上にわたり、Chipotleは現在、米国、カナダ、英国、フランス、ドイツ、クウェート、アラブ首長国連邦にまたがる3,700以上のレストランを展開するなど、大きな成長を遂げています。JackはOrange County Business Journalから『今年のCFO』に選ばれ、Institutional Investorからはレストラン部門の最優秀CFOに選出されました」とテスラはX上で述べている。
テスラは物議を醸す企業であり、CEOも物議を醸す(!)人物であるため、取締役会もまた批判を受けることが少なくない。例えば、2週間前には、テスラ取締役会議長のRobyn Denholmが、The Wall Street Journalに対して、同社の取締役がイーロン・マスクの後継者を探すための調査を検討していたという記事を掲載したことを非難した。Denholm自身も、自身が保有するTSLA株を売却したことで批判を受けている。
さらに最近では、テスラ取締役会がイーロン・マスクに対する新たな報酬パッケージを検討するための特別委員会を設立したというニュースが浮上している。この委員会は、テスラ取締役会議長のRobyn DenholmとKathleen Wilson-Thompsonという独立取締役で構成されているとされ、同社への貢献に対するマスクの代替的な報酬方法を検討しているという。
特に近年、テスラCEOのイーロン・マスクを巡る状況は複雑さを増している。マスクはトランプ政権の政府効率化部門(DOGE)で働きながらもテスラを率いており、その多忙さが批判の対象となっている。WSJによる最近の報道では、テスラの売上や利益の低下、さらにマスクがDOGEに費やす時間のために、テスラ内の緊張が高まっていると指摘されている。しかし、テスラはこの報道を全面的に否定しており、取締役会議長のDenholmは「記事が公開される前にメディアに否定を伝えていた」と強調した。
Jack Hartungの取締役会への加入は、テスラが直面する様々な課題に対処するための戦略的動きと見ることができる。彼のChipotleでの経験や財務リーダーシップは、テスラの次のフェーズの成長に貢献することが期待されている。
テスラの株価は5月16日、Hartungの取締役会加入発表を受けて若干の上昇を見せた。投資家はこのニュースを好意的に受け止めているようだが、テスラの将来の方向性やマスクの役割に関する懸念は依然として残っている。今後のテスラの経営戦略や取締役会の動向に注目が集まる。
対談:テスラが取締役会メンバーを増員する狙いとは
志賀直哉: おいおい、テスラがまた変な人を雇ったようだな。なんだって、メキシコ料理屋の社長さんがテスラの取締役になるんだ?車と食い物、まったく関係ないじゃないか。
武者小路実篤: 志賀君、「変な人」とはひどい言い方だよ。Jack Hartungさんはチポトレで20年以上も財務リーダーシップを発揮してきた実力者なんだ。業界は違えど経営の才能は普遍的なものさ。
志賀直哉: へぇ、そうなのか。でも、タコスを作るのが上手な人が電気自動車の会社で何ができるんだ?
武者小路実篤: 君はいつも物事を単純化しすぎるね。Hartungさんはタコスを作っていたわけじゃない。彼は3,700以上の店舗を持つグローバル企業の財務戦略を統括していたんだよ。テスラは今、財務面での専門知識を持つ人材を必要としているんだ。
志賀直哉: ふむ。じゃあテスラは今、金に困っているのか?イーロン・マスクみたいな大金持ちがいる会社が?
武者小路実篤: 金に困っているわけじゃないよ。むしろ逆だ。テスラは今後の成長戦略のために資金をどう配分するかという課題を抱えている。自動運転技術、新モデルの開発、工場の拡大、エネルギー事業の展開…優先順位を決めるのは難しい。
志賀直哉: ああ、だから料理屋の経営者を雇ったのか。料理だって材料や調味料の配分が大事だもんな。
武者小路実篤: また飛躍した例えだね…。ただ、確かに資源配分という点では似ている部分もあるかもしれない。さらに重要なのは、取締役会の独立性を高めることだ。イーロン・マスクの一存で会社が動くという批判への対応でもあるんだよ。
志賀直哉: なるほど。それで、こうやって外部から人を入れて、マスクの暴走を止めようというわけか。
武者小路実篤: 「暴走を止める」というよりは、企業統治を健全にするための仕組みだね。特に最近はマスクがDOGEの仕事で忙しいから、テスラへの時間が減っているという懸念もある。バランスが大事なんだ。
対談:チポトレ社長のテスラ参画が意味するもの
志賀直哉: それにしても、なんでわざわざチポトレなんだ?世の中には自動車業界に詳しい人もたくさんいるだろう?
武者小路実篤: それこそがポイントなんだよ。テスラはもはや単なる自動車会社ではないんだ。エネルギー会社であり、AI会社であり、ロボット会社でもある。業界の枠にとらわれない視点が必要なんだ。
志賀直哉: ふむ。そう言えば、チポトレって健康志向の強いメキシコ料理屋だろう?オーガニックな食材とか使ってるやつだ。テスラも環境に優しい車を作ってるしな。そういう共通点があるのか?
武者小路実篤: そう!それは鋭い指摘だね。チポトレは「Food with Integrity」というミッションを掲げていて、サステナビリティを重視している。テスラも持続可能なエネルギーへの移行を加速するというミッションがある。価値観の共通性は確かにあるよ。
志賀直哉: テスラの車って、ベルトコンベアで流れてくる具材にソースをかけていくみたいに、工場で少しずつ部品を足していって完成するんだよな。チポトレのタコスもそうじゃないか!まさに生産ラインの神髄を極めた者同士の出会いだ!
武者小路実篤: え!?テスラの生産ラインとチポトレのタコス作りを同列に語るなんて…まあ、確かに両社とも効率性と品質のバランスを重視しているという点では似ているかもしれないけど、そんな単純な理由で取締役に選ばれたわけじゃないよ。
志賀直哉: だが考えてみろよ。テスラもチポトレも顧客体験を重視している。電気自動車に乗るという新しい体験、健康的なファストフードを食べるという新しい体験。どちらも従来の概念を覆しているじゃないか。
武者小路実篤: それは…的を射ている。両社とも業界のディスラプターだ。伝統的な自動車メーカーやファストフードチェーンとは一線を画す存在だよね。ブランドのポジショニングという点でも共通点がある。
志賀直哉: そうだろう?私だってたまにはいいこと言うんだ。それに、チポトレのブリトーみたいに、テスラの車もいろんな機能を詰め込んでいるしな。
武者小路実篤: まあまあ、調子に乗るな。でも確かに、カスタマイズ性の高さという点では類似点があるね。チポトレは客が具材を選べるし、テスラも各種のオプションやソフトウェアアップデートで車をカスタマイズできる。
対談:テスラの将来とイーロン・マスクの立ち位置
志賀直哉: ところで、最近イーロン・マスクがテスラを辞めるという噂があったそうだな?本当なのか?
武者小路実篤: その噂はテスラ側が強く否定しているよ。The Wall Street Journalが「取締役会がマスクの後継者を探している」と報じたけど、テスラの取締役会議長のRobyn Denholmが「絶対に誤りである」と反論した。実際、この記事が公開される前にもテスラはメディアに否定を伝えていたらしい。
志賀直哉: ふーん。でも、マスクは最近テスラより政治の方に首を突っ込んでるみたいじゃないか?トランプの何とか部門とかで。
武者小路実篤: DOGE(政府効率化部門)のことだね。確かにマスクは様々な事業に携わっていて、テスラだけでなく、SpaceX、The Boring Company、Neuralinkなどもある。時間の配分が懸念されるのは当然だろう。
志賀直哉: 一人で何社も経営して、政治まで…。どうせテスラにはオートパイロットがついてるから、社長もオートパイロットでやってるんじゃないのか?
武者小路実篤: はぁ……ただ、マスクの多忙さがテスラの経営に影響しているという指摘は多い。だからこそ、今回のようにHartungのような経験豊富な経営者を取締役会に迎えるのは重要なステップなんだ。
志賀直哉: なるほど。結局のところ、マスクという天才が十分に集中できない部分を補うために、こういう人材を集めているわけだな。
武者小路実篤: そういうことだね。テスラはもはや新興企業ではなく、世界的な巨大企業だ。一人のカリスマに依存する経営から、より組織的で持続可能な経営体制への移行が求められている。
志賀直哉: マスクがいなくなったらテスラはどうなるんだろうな。タコスから具材が抜けたようなものになるんじゃないか?
武者小路実篤: またタコスか…。確かにマスクの創造性や先見性はテスラの重要な資産だけど、今やテスラには優秀な人材や確立された技術、強力なブランド価値がある。会社としての基盤は十分に固まっていると思うよ。
志賀直哉: よし、わかった!私も投資しよう!チポトレとテスラが合併して「テスポトレ」になったら、電気自動車でタコスが焼けるようになるかもしれないぞ!これは買いだ!
武者小路実篤: ばか!何言ってんだよ!合併なんてしないし、車内でタコス焼くなんて火災の元だろ!もう、いい加減にしろよ…。
関連リンク
Tesla welcomes Chipotle President Jack Hartung to its Board of Directors – TESLARATI